今年も中学生が企業訪問にやってきました!

先日、八王子市立松が谷中学校の生徒さんを企業訪問学習にお迎えしました。

今ではなかなか目にしない、ビデオテープや映画フィルムなど
珍しい物ばかりだったかもしれませんね!

なかなか世に出ることのない、裏方的な業務ではありますが、皆さんがこれまでに見てきた映像が出来上がるまでにも、多くの人が関わっていること、その一つひとつに大切な役割があることを知っていただけたらと思います。

後日頂いたお手紙から、中学生の皆様の感想をご紹介させていただきます。


・御社の長い歴史と仕事への誇りに深く感動いたしました。

・最も印象に残っていることは「仕事はすべて楽しい」と仰っていたことです。
将来、私は自分が心から楽しめる仕事を見つけていきたいです。

・私も高い目標を持ち、前向きな気持ちで頑張っていきたいです。

・はっきりとしなかった映像にまるで息が吹き込まれたかのようでとても感動しました。


働くことに対して、前向きなイメージを持っていただけたようで、嬉しく思います。

初夏のご挨拶

気温や天気の移り変わりが大きい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

弊社では引き続き、全国の貴重な視聴覚資料のアーカイブ作業に勤しんでおります。

また、皆さまにご好評をいただいているYouTube 東京光音チャンネルのサブチャンネル

【記録映画 お宝発掘プロジェクト】

を新たに開設しました。

お届けする番組は「謎解き⁉記録映画トレジャーハンター」

普段あまり脚光を浴びることがない記録映画の新しい楽しみ方です。

何気なく見ていることが多い記録映画を様々な角度から見ることで、そこから浮かび上がる謎や疑問を、学術的見地を交えながら解明していきます。

記録映画を見ることで得られる学びやうんちく話、サブカルネタまで盛り沢山。

是非、ご覧ください。

記念すべき第一回は、1933年に撮影された神奈川県の「湘南」の記録映画を取り上げました。

90年前の記録映画から見つかった、貴重なお宝映像とは…!!

↓第一回が見終わったらこちら↓

東京光音の公式YouTubeチャンネルでは第一回のダイジェストと、さらに深掘りした解説動画が投稿されています。

こちらもぜひご覧ください。

そして第二回は神奈川県から今の大河ドラマの舞台でもある「鎌倉」を取り上げました。

鎌倉時代には政治の中心となった土地。

60年前に作られた記録映画にはいったいどんな謎が潜み、どんな学びがあるのか。

つい人に話したくなるうんちく話」と「記録映画から得られる学び」をテーマに、今後も番組を展開していきます。

記録映画ってオモシロイ!と少しでも感じて頂けたら嬉しいです。

次回は何処を取り上げるのか楽しみですね😊

みなさんの故郷や、お住いの地域かもしれませんよ。

備えてますか?2025年問題

なんだか最近、広報スタッフさんブログさぼりがちじゃな~い?

年度末は何かと忙しかったんだよKOONくん…

さて、年も明けてあっという間の新年度、
相変わらずのコロナ禍ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。

今年は2022年2月22日、令和4年4月4日とゾロ目の年ですね。

なんてことは関係なくて
いよいよ2025年問題のリミットが迫ってきました…!

「2025年問題って???」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんので、今一度ご紹介します!

2025年問題とは

これまでの約60年にわたって映像の世界を支えてきた数々の磁気テープ。
そのテープを視聴するに必須な再生デッキは次々と生産が終了し、
ほとんどの機種でメーカーのサポートも終了しています。
機会は壊れるもの。さらに消耗パーツも多く使われており、
こまめなメンテナンスにより延命されている状況です。

しかし、多くの磁気テープが各所で保管されています。
再生デッキがなければもちろん磁気テープは再生できません。                          再生できないテープだけが残されてしまいます。

再生デッキが無くなる=テープに記録された映像を失うってこと!?

その通り!
その危機に直面するリミットが2025年とされているんです!

昨年の秋には国立映画アーカイブにて緊急フォーラムが開催され、多くの注目を集めました。
実は世界中で警鐘が鳴らされている深刻な現実問題でもあるんですよ。

皆さんも、映像が見られなくなってしまう前に、お手持ちの磁気テープのデジタル化をご検討くだサイ!

代表的な磁気テープ

中学生が職場見学に来てくれました!

先日、職場見学の依頼があり、都内の中学校から中学生たちがやってきました。
映画の仕事と聞いて、「ひょっとしたら新作映画とか見られるかも!」などと期待していたでしょうか…

最近ではYouTubeやサブスク配信など映像はネットを介して見るのが当たり前の時代となり、そもそも今時の中学生はフィルムやビデオテープを知っているのか!?などと考えていましたが、当日は皆さんとっても真剣にお話を聞いてくださいました。

中学生向けに、スライドを準備!

後日、感想を頂きましたので、少しだけ紹介させて頂きます。

・働く人達はみんな仕事を楽しみながら行っており、だれかを笑顔にさせるという点で、大変な手間があろうが、一つ一つを着実にこなしていく姿は、いつか大人になる自分にとってはとても大きな経験値になりました。

・自分のやりたいことを見つけて、今回の経験を生かし、自分の道をしっかり歩んでいきたいです。

・私も自分の好きなことに関われる仕事に就きたいと思いました。

・今回の企業訪問で働くことは誰かを幸せにするのとともに、自分のことも幸せにできることがわかりました。

・僕も好きなことを見つけてその仕事で働ければいいなと思っています。

「好きなことを仕事にしたい」と思ってくれた方が多いようですね。
社内やスタッフについて気になる方は、スタッフインタビュー(当ブログ)社内見学ツアー(youtube)をご覧ください!

視聴覚資料アーカイブ講座をリアル開催してきました!

先日、とある学校で「視聴覚資料アーカイブ講座」を行いました。

普段は、絵画や文書、木製品などの主に美術品の保存修復を学ばれている学生さんたちへ、映像資料や音声資料などの視聴覚資料やなかなか知る機会のない映画の世界についてお話をしてきました。

視聴覚資料のデジタイズ、映画・映像業界の話や水損資料の救済など多岐に渡り紹介しましたが、特にデジタルジレンマというデジタルデータの保存問題に関しては、視聴覚資料の保存には避けることのできない課題です。

記録媒体は、紙やフィルム、磁気テープ、さらにデジタルデータなど様々な形へと姿を変えています。これらの資料をどのようにして保存していくのか課題はたくさんありますが、「史資料をのこすこと」を考えるきっかけとなれば嬉しく思います。

KO-ONくんの技術スタッフインタビュー~第5回~(後編)

こんにちは!東京光音でフィルムやテープのダビング・修復作業をしている技術スタッフにお話を聞く、インタビューコーナー!前回に引き続きカラーグレーディング作業を担当しているスタッフのお話をお届けするよ!

カラーグレーディングの作業を行う上で大切にしていることってありますか?

そうですね…それぞれのフィルムが持つ、特性を見極めて作業を行っています。映像の色はいくらでも調整することは出来ますが、やりすぎるとフィルム本来の質感が損なわれてしまうんです。8mmフィルムや35㎜フィルム、そのほかにもそれぞれが持つ『フィルムらしさ』を大切にしています。

そういえば、音声ダビングのスタッフさんも原音を損なわないようにしているって言っていたなあ…メディアそれぞれに特性があるんだね!今までグレーディングをしてきた中でも特に印象に残っている作業を教えて!

初めて4K映像の作業を行った時のことです。特に35mmのネガフィルムを4Kデジタル映像にしたときの美しさには圧倒されましたね!

そうそう、僕も35mmフィルムの4K映像を観たときは、とっても驚いたなあ。細かいところまでくっきりと鮮やかに見えるんだよね!では今後、力を入れていきたいことは?

今、興味を持っているのはHDR(ハイダイナミックレンジ)です。以前、フィルムからHDRで仕上げた映像を取り扱った際に、明暗の表現の幅の広さに驚きました。

たしか僕たちが実際に目で見ている感覚に近い明るさの映像が作れるようになるんだよね!技術の進歩ってすごいなぁ…。では最後に東京光音はどんな会社だと思いますか?

お客様にとっては「最後の砦」のような存在だと思います。劣化が進行し、1度はデジタル化できないと言われたフィルムやテープでも、東京光音に持って来てもらえれば修復・復元できたといったケースを多く見てきたので。また、「チームワーク」も私たちの強みじゃないでしょうか。営業部門と技術部門がしっかりとコミュニケーションをとって仕事をしているので、様々なケースにも柔軟に対応できているのだと思います。

なるほど。他のスタッフさんも同じようなことを言っていたから、みんな同じ志をもってお仕事をしているんだね!
今日は貴重なお話をありがとうございました!

カラーグレーディング作業はフィルムそれぞれが持っている「フィルムらしさ」を活かしながら最適な色や明るさを探す、とても繊細な作業だということがわかったよ。この繊細な作業のおかげで退色してしまったフィルム映像でも撮影当時の色を取り戻すことが出来るんだね!

超劣化フィルムの作業方法

公式ホームページのリニューアルに伴い、個人のお客様からのご依頼を受け付けしやすくなりました。古いフィルムを数十年振りに見てみると、経年劣化が進み、映写機にかけられない状態になっているものもあるでしょう。

東京光音では、劣化が進行しているフィルムでもデジタル化作業を行う事が可能です。ただし、フィルムの変形・貼り付き・カビの発生などは特殊な作業を施す必要があるため、追加料金が発生する場合がありますので、ご注意ください。

特殊な作業を施しても、デジタル化できない状態のフィルムも存在します。

このような状態になってしまうと、機械にかけて収録を行う事が出来ません。

  • ほぐそうとするとボロボロに崩れてしまう
  • パリパリに乾燥していてフィルムベースの強度がない
  • ロール状に巻かれた状態で固まっている

ここまで劣化が進行してしまうと、記録された映像が失われる一歩手前です。弊社では、このような状態のフィルムでも記録された映像を救出できる可能性があります。

超劣化状態のフィルムを、崩れないように慎重にほぐし、平面化、補強を施し、記録された画を1コマ1コマ手作業で撮影し画像データにします。

この画像データを連番ファイルにして、動画として視聴できるようにするのです。通常のデジタル化作業同様、色調補正も行います。このような工程を経て、失われる一歩手前の映像を残すことが出来ます。

このような状態になる前に、大切な映像のデジタル化を行い遺して行きましょう。

ハードディスクは何年もつ?

デジタルデータの格納メディアはいくつかありますが、現状最も多く使われているのがハードディスク(HDD)です。

HDDの種類とメリット・デメリットを簡単にご紹介します。

据え置き型HDD
メリット
  • 価格は比較的安価
  • 大容量の規格がある
  • LAID対応など保存に適した規格がある
デメリット
  • 別電源が必要
  • サイズが大きく、重い
  • 頻繁な持ち運びに少し難がある
ポータブルHDD
メリット
  • 別電源が不要
  • 小さいため置き場に困らない
  • 軽く持ち運びに便利(耐衝撃規格がある)
デメリット
  • 大容量のものが少ない
  • 価格は比較的高め

一般的にHDDの寿命は可動部品があることから比較的短く、およそ4年程度と言われています。ただ、HDDの種類、動作環境に大きく左右されます。HDDは熱に弱く結露もNGなので適切な温度・湿度も場所での保管が必要です。

また、故障によるデータ損失など万が一に備えて予備HDDなどのメディアへのバックアップを必ずとっておきましょう。5年位を目処に新しいHDDへの書き換えを行うことをおすすめします。

※これはフィクションではありません。6月10日朝、発生したHDDトラブルにより2週間分の作業データが消失し、意気消沈する当社スタッフ。